半導体用語集
研削盤
英語表記:grinding machine
シリコンウェハ加工の分野において、近年、大口径化、さらなる高平坦化を狙う目的で、従来の両面ラッピングに替えて研削加工の導入が図られている。ラッピングと研削加工の大きな違いは、ラッピングは工具となるラップ定盤と遊離砥粒による圧力転写型の加工法であり、研削加工は固定砥粒であるダイヤモンド砥石を使用し、研削盤の運動精度が安定していれば、運動転写の原理に基づき高精度加工を可能にする加工法である。ウェハ加工プロセスの中で、インゴットをスライスし、面取り加工後に両面ラップが行われている。その加工の目的は、スライスウェハの平坦化と厚さ揃え、また、スライス加工変質層の除去があげられる。しかし、加工精度を左右するラップ定盤の形状維持管理は限界に近づいてきている。そのラップ盤に替わり、平坦度や加工能率の向上が期待できる研削盤の採用が行われてきた。研削盤には両頭研削盤および縦軸平面研削盤が使われ、高精度・高品質ウェハの加工ができるようになった。両頭研削盤の目的は、マルチワイヤソーでスライスしたウェハのうねり(通称ソーマーク)をとるために使われる。マルチワイヤソー加工時のワイヤの振れによるうねりは、縦軸平面研削盤による片面づつの研削ではウェハを固定する真空吸着力で弾性変形が起きるために最終工程である研磨においても残留する。そのため、弾性変形を起さないようにウェハ外周を三点で保持し、回転駆動を与え、両側からダイヤモンド砥石(#600~#1000)で挟みこみ同時研削を行いウネリを除去する。縦軸平面研削盤は、研磨前工程であるエッチングの省略を目的に、従来のラッピングではえられない高精度加工(TTV:≦1.0μm)および加工変質層の浅い(≦1.0μm)鏡面研削が行われる。その研削工程は、一般には両頭研削盤でウェハのウネリを除去した後工程に使われる。ウェハの研削は、多孔質セラミックスを具備した真空吸着チャックでウェハを固定し、研削工具にはカップ形状の微細ダイヤモンド砥石を使い、両者に回転駆動を与え砥石回転軸の切込み量を微小に制御しインフィード研削が行われる。そのようなシリコンウェハの研削加工ではELID 研削、脆性モード研削、延性モード研削がある。一般的には脆性モード研削が多く使われている。
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