半導体用語集

FIB法

英語表記:FIB (Focused Ion Beam) method

 FIB法(集束イオンビーム法)は多芸である。まず,形状・材質・結晶構造などに関連した異常の検出ができる。さらに,FIBの場所選択的スパッタリング機能,場所選択的金属膜・絶縁膜堆積機能も併用することで,故障箇所の絞り込みや物理的解析において,非常に多くの用途がある。
 この多芸さを生み出す三つの基本機能を図1に示す。順に簡単に説明する。まず,図1(a)に示すように,細く絞ったガリウム(Ga)イオンを照射することで,局所的スパッタリングが行える。次に,図1(b)に示すように,タングステンや白金といった金属の化合物(W(CO₆)など)を吹きつけながら細く絞ったGaイオンを照射することで,局所的な金属膜堆積ができる。同様に局所的に絶縁膜を堆積する機能も最近は普及し出している。最後に,図1(c)に示すように,細く絞ったGaイオンを照射した際発生する二次電子や二次イオンを検出することで,形状だけでなく材質や結晶方位に依存した像(Scanning Ion Micro­scope image ; SIM像)がえられる。また,このSIM機能は局所的スパッタリングや局所的金属膜・絶縁膜堆積の際のモニタにも用いられる。
 当初は配線やマスクの修正などにしか使われていなかったFIBの故障解析への多種の応用は,1989年にNik­ awaらにより発表され,その後,その成果をベースに,非常に広範な応用がなされている。
 FIBの前述三基本機能を組み合わせることで可能となる応用機能には,
(1)顕微鏡的視野での任意の箇所の断面出しとSIM像でのその場観察
(2)他の故障解析のための各種前処理
(3)金属配線の微細構造の観測
がある。
 さらに,FIBとSEMを同一試料室上に配置し,EDX装置を取りつけることで,
(4)顕微鏡的視野での任意の箇所の断面出しとSEM像でのその場観察。
(5)顕微鏡的視野での任意の箇所の断面出しとその場組成分析。
が可能になっている。
 また,(2)の機能の一つだが,特箪すべきものとして,
(6)特定箇所の断面をTEMで観測するためにFIBで印づけをし,その断面を出し,さらにはその箇所の組成分析をも行う。
といったことが,実務の場でも行われるようになってきている。(6)の手法の基本部分といえる「「サブミクロンの精度で狙った箇所の断面をTEMで親察する」手段として,FIBを用いる」という手法は,Kirkらが1989年に発表しているが,この応用が日本で故障解析に本格的に使われるようになるのは,彼らの発表から5年ほどたってからであり,前述した他の方法が発表後すぐに普及したのとは対照的である。


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