半導体用語集

N2O窒化

英語表記:N2O nitridation of silicon oxide

亜酸化窒素N2Oを用いたSi酸化膜の窒化では、窒素含有量がlat.%前後の「軽い」窒化がなされる。N2Oを用いることで水素を取り込まない窒化が可能となると同時に、N2Oの窒化力が弱いため結果的に「軽い」窒化になった。窒化を軽くすることで酸化膜にくらべて若干のVthシフトがみられる程度で、アンモニア窒化による「重い」窒化でみられた移動度劣化はピークにおいて若千低下するが高電界では逆に向上するといった現象が見い出された。また、ホットキャリアストレスによるMOSトランジスタのgm劣化がpMOS、nMOSともに抑制されることがわかった。これは、N2O酸窒化は水素結合を作らず、歪の大きい界面に強固なSi-N結合を形成するためである。一般に酸窒化膜にすることでホットキャリア耐性は向上するといわれているが、デバイス構造によってはホットキャリアの注入箇所が窒化された領域からずれてしまうと、その効果を発揮できないこともある。しかし、LDD構造のMOSFETであってもLDD領域直上のSi表面に窒化された領域を残しておけばホットキャリア耐性は向上する。その結果、Si酸化膜にくらべてデバイス寿命は最大2桁以上長くなることがわかった。窒化方法としてはアンモニアよりもN2O酸窒化の方がホットキャリア耐性が高い。


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