半導体用語集
NiSi₂
英語表記:nickel silicide
ケイ化ニッケル。ニッケルとシリコンの化合物をサリサイドプロセスヘ適用する際には、エネルギー的に最も安定なダイシリサイド(NiSi₂)ではなく、準安定状態であるモノシリサイド(NiSi)を使用する場合が多い。これは、NiSi₂の比抵抗が34µΩ•cmであるのに対して、NiSiの比抵抗は14µΩ•cmと低いためである。TiSi₂、CoSi₂と比較して、NiSiの形成温度は低く、最終段の熱処理が 400∼500℃で十分であるため、1回のアニールによってサリサイドを形成することができる。一方、550℃以上の熱処理を加えるとNiSi は NiSi₂ へと変化し抵抗上昇が生じるため耐熱性には乏しく、サリサイド形成後のプロセスの低温化が必須となる。NiSiの形成反応はNi拡散によって行われるため、TiSi₂ でみられるような「這い上がり」と呼ばれる、絶縁膜上でのシリサイド成長は発生しにくい。また「細線効果」と呼ばれる細線部での抵抗上昇も発生しにくい点も TiSi₂ よりも有利である。NiSi形成の際の、メタル膜厚と反応で消費されるシリコン膜厚の比は、TiSi₂ や CoSi₂ 形成の場合と比較すると小さいため、シリサイド化反応による体積変化が小さく、基板ヘのダメージは小さいとされているが、一方でシリサイド形成後に高温の熱処理を加えられないためダメージ回復は困難で、接合リークが多いという報告もある。
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