半導体用語集

析出

英語表記:precipitation

溶媒の母相に溶け込んだ不純物が固溶限を超えた時、結晶化して分離して出てくる現象を析出という。また電気分解の時に金属が電極に出てくることも析出現象である。身近な例でいうと、茶碗に入れた食塩水の温度を上げていくと、透明で食塩は水によく溶け込んでいるが、これを冷やしていくと、茶碗の底に結晶化した食塩の固まりがみられる。これも一種の析出現象である。不純物の固溶度は温度の関数である。いま温度T1の時、不純物濃度をC0とする。この温度での固溶度Cl が、C1> Coの場合には析出は起こらない。次に温度をからのまで冷却し,この時の固溶度C2がC2くCo の場合には不純物は析出する。シリコン結晶で析出に関わる重要な不純物は酸素と不純物金属である。酸素析出物については別項に記述がある。不純物金属では濃度が増大すると、シリサイドが析出する。ゲッタリングサイトに捕捜されたCuやNiは CuSi析出物やNiSi2析出物として観察されている。不純物の析出過程では、初期段階に微小な析出粒のエンブリオができ、それが成長して析出核となり、最後に析出物が成長する。析出には温度、過飽和度、拡散速度などが影響する。


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