半導体用語集
べクタ走査
英語表記:vector scan
パターンの存在するところにビームを偏向してパターンを塗りつぶすように描画する方式をベクタ走査という。
この方式の特徴はパターンの存在するところのみを描画することで描画スピードが非常に高いことである。マスク描画、ウェハ直接描画に関わらす高いスループットが要求される最近の電子ビーム描画装置は、ほとんど可変成形ビーム(+キャラクタビーム) /べクタ走査/ステージ連続移動の描画方式を採用している。その反面、この方式はガウシアンビーム(スポットビーム) /ラスタ走査/ステージ連続移動の描画方式の装置にくらべてシステムが複雑であり、描画精度の達成がなかなか難しい。たとえば、可変成形ビームの寸法制御性、偏向領域の大型化で発生する偏向歪、偏向歪が大きい偏向領域周辺部でのビーム接続精度、さらにステージの走行ゆらぎが重畳されるフレーム境界でのビーム接続精度など、丸ビーム/ラスタ走査/ステージ連続移動の描画装置よりはるかに精度低下の要因は多い。しかしながら、これらの誤差要因はいすれも装置自身の性能に関わるものであり、装置性能の向上とともに解決すると期待できる。
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