半導体用語集
イオンビーム支援エッチング
英語表記:ion beam assisted etching
ドライエッチングプロセスにおける重要なエッチング機構として、基板に吸着したフッ素や塩素などの反応性ガス分子にイオンビームを照射する時、エッチング速度が、イオンビーム単体による物理スパックリングに比較して数倍以上も早くなる効果をイオンピーム支援エッチングと呼ぶ。この時、イオンビームの照射効果としては、(1)吸着した反応性ガス分子と基板構成原子との化学反応を促進し、揮発性の高い化合物の生成を促進する。(2)イオンビーム照射効果により生成物の脱離を促進する、(3)基板に損傷を与えることで化学反応を促進させるという三つの働きを持ち、ドライエッチングにおける側壁保護効果とともに異方性エッチング形状をえるための重要な機構の一つである。このような機構を積極的に利用したエッチングをイオンビーム支援エッチングと称し、シャワー状イオンビームを用いる場合と、集束イオンビームにより局所的にエッチングする場合がある。いずれの場合にも反応性ガスは、ノズルなどから試料基板表面に向けて吹きつけられ、基板に垂直方向からイオンビームが照射される。シャワー状イオンビームを用いた例としては、GaAsと塩素ガス、ダイヤモンドとNO₂ガスの組み合わせなどが報告されており、アスペクト比の大きなサブミクロン以下の寸法形状がえられることが報告されている。一方、集束イオンビームによる局所的なエッチングは、LSIの断面観察による故障診断や、リソグラフィにおけるレジスト断面形状観察に利用されている。後者では、窒素などのキャリアガスにより水蒸気を吹きつけることで、レジストのエッチング速度の向上が図られている。吹きつける反応性ガス分子フラックスを増加させると、エッチング速度は飽和傾向を示すようになり、吸着したガス分子の量がエッチング速度を支配していることが知られている。
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