半導体用語集

イオン注入プロセス

英語表記:ion implantation process

CMOS (Complementary MOS、相補型MOS)の製造工程において、イオン注入は以下のように用いられている。
①ウェル注入: 同一基板上に極性の異なるMOSを形成するために、Bイオンあるいはpイオンを1012/cm2 程度注入し、1, 000 ~1, 200℃で長時間の熱処理を行い、数μm程度の深さの不純物導入層(ウェル)を形成する。
②Vth(しきい値電圧)制御用チャネルドープ:ゲート酸化膜を通してチャネル部に低濃度(注入量1011~1012/cm2)のイオン注入を行う。
③チャネルストッパ: Si表面が反転 して流れるリーク電流を抑えるために、選択酸化膜の下にドーパントを低濃度注入する。
④ LDD (Lightly Doped Drain)注入: nチャネルMOSのホットキャリアによる特性劣化を防ぐために、ドレイン電界を緩和させるようにソース・ドレイン部と隣接したn-層を形成する。
⑤ソース・ドレイン: MOSのスケーリング則に従った厚みの接合を形成する。
一方、プレーナ型バイポーラトランジスタ(例としてnpn構造)の製造において、イオン注入は以下のように使われる。
①埋め込み層:高濃度(~1016/cm2) のイオン注入を行い,工ミッタとべースの下にn+層を形成し、コレクタ抵抗を下げる。
②べース形成: B+を1014/cm2程度注入し、べース領域を形成する。
③コレクタウォル形成:コレクタn+層とコンタクト部の間の抵抗を下げるために高濃度(~1016/cm2) のP+注入を行う。
④エミッタ形成:高濃度(1016/cm2) のAs+注入によりエミッタを形成する。
⑤べースコンタクト形成:べースのコンタクト抵抗を下げるために行う。


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