半導体用語集
エッチバック
英語表記:etch back
ULSIなどの表面の段差を有する膜上に塗布膜を形成して,塗布膜と下地膜のエッチング速度が等しくなる条件を用いてドライエッチングして、下地膜表面を平坦化する方法である1)。塗布膜表面は下地段差形状にあまり依存しないで平坦になるため(厳密には平滑) 、等速エッチングを行うと下地膜の凸部がエッチングされて、塗布膜表面の平坦性を下地膜表面に転写できる。A. C. Adamsらは絶縁膜平坦化に適用する場合は、段差上にフォトレジスト膜を塗布し、CF4、C2F6 などのフッ化炭素系のガスを主に用いてレジストと絶縁膜とのエッチング速度が等しくなる条件でェッチングして平坦化できることを示した(1981)。リフロー法よりも優れた平坦化効果がえられ、かつ、平坦化する材料の制約が少ないために、1980年代には平坦化の標準的技術として世界中で用いられた。塗布膜表面の平坦性の向上や、ガス組成の制御による等速エッチングの安定向上、特にエッチング中に絶縁膜から分離される酸素が等速性を損なう(マイクロローディング効果)などの制御が重要である。このような平坦化を主目的とした場合の他に、層間接続用のプラグや素子分離用の絶縁膜の埋込層形成のためにエッチングして窪みに所定の膜材料を残す技術もエッチバックと呼ばれる。
参考文献
1)Y. Homma et al : J. ECS, 126 (9) , p.1531 (1979)
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