半導体用語集
ストレス試験
英語表記:stress test
電子デバイスは電界によって、キャリア数とその動きを制御している素子であるから、通常の動作領域においても素子の各部所に大きな電界がかかっており、素子からみると常に大きなストレス下にある。しかしながら、実際に動作条件と同じように信頼性試験を行っていたら、基本的に10年以上かかってしまうことになり、これでは素子開発はできない。そこで、かける電界、あるいは環境となる温度の方を実際よりも高くして、加速試験を行うのが普通である。これを通常はストレス試験と呼ぶ。この場合に知りたいのは、加速された条件での結果ではなく、通常の動作条件に戻した時の結果である。つまり、加速パラメータに対する関数形が重要である。ストレス試験を行う際の電界をEsとし、実際の動作条件での電界をEopとしよう。
ストレス試験を行った時の寿命をts、寿命tの電界依存性を表わす関数形をt=a×T(E)とすると、
ts=a×T(Es)
top=a×T(Eop)
=ts×T(Eop)/T(Es)
となる。つまり知りたいのは、ある一点での何らかの寿命の値と、寿命の電界依存性である。また、温度を変えた時には、一点での値と温度依存性の関数形が重要である。しばしば問題になるのは、関数形を決めるのが大変難しい点である。また、電界と温度に対する依存性とか独立という保障はない。酸化膜の絶縁破壊の電界依存性が高電界領域では指数関数的な振る舞いを示すことがわかっているが、詳細に見積る時には、exp(-BE)なのか exp(r/E)なのかは、どちらも電界に対して鋭い関数形なので、わずかな電界の範囲では関数形まで決めることは大変難しい。また、高電界での寿命を決める物理的根拠がexp(r/E)に近いと考えられていたが、低電界でそうであるという保障はない。さらに信頼性というのはすべて確率的な事象であり、統計的処理をしないと本質を見誤るおそれがあることも重要である。その結果、信頼性のデータを取る努力をしているだけで数年かかってしまい、そうしているうちに半導体デバイスでいえば数世代先のデバイスを取り扱っていかなくてはならないことになっており、実際問題として大変難しい部分である。最近、低電界ストレスで数年間のテストをやり、指数関数的exp(-BE)依存性の方がフィットすることが報告されている。ただ、この予測の方が低電界領域で厳しい条件になっていることは注意すべきである。
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