半導体用語集

ネッキング

英語表記:necking

無転位の単結晶を成長させるために必要な、結晶引き上げプロセスである。融液に種結晶を浸した際には、転位が発生するが、この転位を除去する必要がある。そのためには、成長界面形状を融液に対して凸形にすることで、結晶表面から転位を逃がすことができる。成長界面を凸形にすることで、結晶表面から転位を逃がすことができる。成長界面を凸形にするには、直径を小さくして、表面からの熱の放出を大きくすることが必要で、この種結晶を細く、ある程度の長さに成長させるプロセスがネッキングである。引き上げる単結晶の重量にもよるが、おおむねΦ3~4mm程度、引き上げ速度3~4mm/min程度、長さ100mm程度が一般的と思われる。ただし、Φ300mm以上の大口径結晶引き上げの際には、おのずと単結晶も重くなることから、前述のネック直径では強度的に持たない。よって、結晶の肩部に瘤を作り、補助装置でその瘤を保持しながら引上げる方法や、太い直径でも転位を表面に逃がすネック形成条件などが、特許提案されている。ネッキングのプロセスで重要なポイントは、融液の温度設定である。通常は、放射温度計などで融液表面の温度を監視し、適正温度で安定していることを確認してから、種結晶を融液に浸す。一経過した段階で、温度が最適かどうか判断した後、ネッキングを行う。なお、ネッキングを開始する際の最適温度の判断は、種結晶の表面に発生する晶癖線の形状で行う。CCDカメラなどを使った画像処理などで判断することも試みられているようだが、引き上げ炉のオペレータによる目視判断で、最終確認しているのが現状であると思われる。


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