半導体用語集
ビームドリフト
英語表記:positioning drift
ウェハ上でのビーム位置が時間とともに変化することをビームドリフトという。
ビームドリフトの原因は、大きく分けて二つある。ーつは装置に関わる問題で、偏向器の表面に堆積する絶縁性カーボンコンタミネーションや反射電子検出器などに使われる絶縁材料のチャージアップである。カーボンコンタ ミネーションが帯電すると電子ビームの軌道を変える不要な電界が発生し ビーム位置変動が起こる。このようなビームドリフトは、偏向電界を変化さ せた直後に発生することが多く、その時定数は比較的短い。この現象は偏向器内に存在する二次電子の印加電界変化に伴う移動でほぼ説明することができる。したがって、コンタミネーションを定期的にin-situ洗浄技術などを使って除去すれば、ビームドリフトを抑えることができる。絶縁物のチャージアップも電子ビームの軌道を変化させるが、これは絶縁物が電子ビームから直接見込めないように徹底した遮蔽で解決が図られている。また、レジス・ト表面が帯電することによってもビームドリフトが発生する。この種のビームドリフトは、レジスト表面に帯電防止膜を塗布する、レジストを薄膜化する、レジスト自身の抵抗値を下げるなどの対策を行えば,はば回避できる。もうーつは、外乱磁界の変動によるビーム位置の変化、設置環境の温度変化、振動、電気的な外乱がコラム内を流れることにより発生する磁界によるビーム位置の変化などの外的な要因である。これらによって引き起こされるビームドリフトは、比較的時定数が長い。装置を磁気シールドルーム内へ設置し外乱磁界の変動を10分の数mgau以下に抑える、磁気シールドルームを恒温化することによって温度の変動は0.1℃以下に制御する、環境振動はアクティブ防震台を使って減衰させるなどの対策で、ドリフト低減が図られている。
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