半導体用語集
誤差要因
英語表記:error items
描画精度を劣化させる要因を誤差要因と呼ぶ。システムが線形であると仮定すると、誤差は系統誤差と不規則誤差の和で表わされる。系統誤差は、理想とする絶対値からの一定の偏差であり、システムにおいては必ず発生する。電子ビームリソグラフィにおいて、確かに絶対寸法の管理は重要であるが、それにも増して重要なのは精密さを制御すること、すなわち不規則誤差を極力小さくすることである。描画を行った後に様々な精度を測定し、測定値の平均値(系統誤差に相当する)を求め、この平均値を0にするように描画条件をずらすことを行えば、系統誤差はほぼ 0になる。電子ビームリソグラフィに おける不規則誤差の要因となりうるものはきわめて多い。振動、磁場、温度、大気圧などの外部環境に起因した誤差要因、走行時のステージ姿勢が変わることで、加工点と計測点がずれることによって生じるアッペの誤差やウェハ固定後の平坦化不良、マークの検 出不良やレーザ干渉計や電子ビーム偏向器の量子化誤差、電子ビームを制御するレンズや偏向器に使われる電源の不安定性電子光学系の偏向歪などの補正誤差、コラム内の主に偏向器のチャージアップによるビームドリフト、寸法ドリフトなどの装置自体の性能に関連する誤差、たとえば熱工程を経ることで生じるウェハ内の不均一歪などで代表されるプロセス起因誤差など種々な要因があげられる。
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