半導体用語集
ビーム寸法
英語表記:beam Size
1回のショットで露光できる基板上の露光工リアをビーム寸法と呼ぶ。可変整形ビーム(VSB)方式の描画装置での最大ビーム寸法は、 2枚のアパーチャの重なりで取りうる最大寸法に電子光学鏡筒の縮小率を掛けた値/になり、市販の装置では5μm角程度である。ビーム寸法を大きくしてショット数を減らすことが高速化の観点からは重要である。VSBを使った描画の場合、描画パターンは最大ビーム寸法以内の大きさのショット図形に分解されるため、最大ビーム寸法拡張によるショット数低減効果は描画パターンに大きく依存していた。たとえば、配線層は長いラインパターンで構成されているため、ピーム寸法Xを大きくすることで、ショット数Nは、N81 /xで低減できた。 しかし、コンタクトホール層は小さな矩形で構成されているため、ビーム寸法を大きく してもショット数は低減できない。さらに、近年の回路パターンの高細密化によって、パターンを基本図形に分解すると最大ビーム寸法を下回る図形が多くなり、最大ビーム寸法を大きくしてもショット数低減効果はえられなくな ってきている。方、部分一括露光方式は、単位領域を一括露光する方式で あるから、ショット数は単位領域内のパターンの細密性に依存せず、最大ビ ーム寸法、すなわち一括露光領域を大 きくすれはするほどショット数低減を図ることが可能である。ただし、一括露光領域を大きくすると、1回のショットの電流量が増加し、クーロン効果によるビームボケが大きくなって解像性が劣化してしまう。一括露光図形数に制限がある現状では、すべてのパターンを部分一括露光できるわけではな く、可変整形ビーム方式を併用せざるをえないが、上記クーロン効果低減の ために電流密度を下げてしまうと、電流密度を下げる必要のない可変成形ビームの照射時間まで長くなってしまい、ショット数は減っても大幅な露光時間増となってしまう場合もある。最大ビーム寸法は、描画パターンと描画システムのバランスを考えて決定する必要がある。
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