半導体用語集
ポーラスシリカ
英語表記:porous Silica
多孔質シリコン酸化膜を意味する。膜中に数nmから10数nm程度の空孔を発生させ、多孔質にすることで比誘電率を低下させる。比誘電率は多孔性の程度で決まり、比誘電率は酸化膜の3.9から、空孔率を80%程度まで上げることで空気の比誘電(1.0)率に近い値まで換えることができる。主に、比誘電率1.5から2.0程度の領域が検討されている。成膜には、一般に塗布法が用いられるが、(1)湿潤状態でゲル骨格を形成し、その後液相を除去する方法(xerogel)と、 ②熱分解物質を含むSOGを形成し、その後の酸化などの熱処理で空孔を形成する方法がある。具体的には、Siとフェニル基またはSiとメチル基との結合を SOG中に多量に含有させ、その立体障害の効果を保持させつつ酸化することで、多孔質シリコン酸化膜を形成する方法である (pyrogel)。空孔のサイズや密度の制御、機械的強度の確保などの課題が残っている。
また、ポーラスシリカは多孔質のため、非常に広い空孔表面積を持ち吸湿性が高い。容易に大気中から水分を吸収し、またメタライゼーションプロセス中に容易に再放出する。このため、 ポイゾンドビアの発生抑制および金属配線の信頼性確保も課題となっている。ポーラスシリカの吸湿性を低減させる方法としては、酸素あるいはArプラズマによる表面改質やHMDS (Hexa-MethyI-Di-Silazane) による表面疎水化が提案されている。課題も多くあるが、2.0以下の比誘電率がえられる最も低誘電率化が可能な材料である。
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