半導体用語集

マスク用絶縁膜

英語表記:mask dielectrics

Siデバイスの集積化を可能としたプレーナ技術において、Si基板上の所望の部分を選択的に酸化したり、所望の部分に選択的に不純物を拡散させる際に、マスク材として用いられる絶縁膜。Si02やSi3N4が用いられている。
Si基板上に形成される、各トランジスタを電気的に絶縁するには、基板の一部分を選択的に酸化する必要がある(素子分離用絶縁膜)。選択酸化の際のマスク材としては、マスクで覆われた部分の酸化を抑制するために、酸化剤として用いられる酸素や水の拡散しにくい、Si3N4が用いられる。ただし、Si基板上に直接Si3N4が堆積されると、Si3N4の持つ大きなストレスのために、Si基板内に欠陥が誘発されやすくなるので、ストレスを緩和する目的でSi基板との間にSi02が挿入される。選択酸化用のマスク材として、十分な耐酸化マスク性を有し、しかもSi基板に欠陥を誘発しにくい、シリコンオキシナイトライドが用いられることもある。Si基板の一部分に不純物を選択的に拡散する場合には、Si02がマスク材として用いられる。Si02をSi基板上に熱酸化法で形成した後、選択拡散をしたい部分のみを開口し、拡散したい不純物をイオン注入法または固相 (気相)拡散法(固相拡散、気相拡散)を用いて導入する。イオン注入および導入された不純物の活性化アニールエ程、もしくは固相(気相)拡散工程を経た後にも、Si02の下部のSi基板に不純物を侵入させないだけの厚さが、 マスク用絶縁膜には必要である。


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