半導体用語集

リピータ

英語表記:repeater

信号伝送線路中に設けられた信号中継器。LSIの信号伝送線路においては、配線の信号伝播遅延時間T = Rint・Cintを最小にするために、信号伝送線路長を最適化分割し,その配線間にドライバまたはレシーバを設けることが行われる。このドライバまたはレシーバをリピータという。配線抵抗および配線容量はともに配線長に比例して壻大するので、信号配線の伝播遅延は配線長の2乗で増大するが、最適化されたリピータと分割配線長を用いれば伝幡遅延は配線長の1乗の関数となる。全配線遅延=ドライバの遅延+配線遅延としてリピータの効果を説明する。単位長さ当たりの配線抵抗=1、配線容量= 1とし,配線長が8単位あるとする。この時全配線遅延= 8X8 = 64である。ただしここではリピータの遅延は無視した。一方、この配線を 8分割すると、全遅延時間=1+1+1+1+1+1+1+1=8となりリピータの効果が理解できる。 実際にはリピータの負荷による遅延も考慮して最適分割数を決める必要がある。配線分割数をn、最小サイズドライバのon抵抗をRO 、負荷容量をCOとすると、遅延時間T50は、一般にT50=n[0.7RO (Cint/n +CO + Rint /n(0.4 Cint/n+0.7CO )]で与えられる。また、リピータのトランジスタのW/L比を大きくしてく駆動力をあげることは遅延時間の低減に効果がある。W/L比をm倍大きくしたとすると、上の式はT50=n[0.7(RO/m) (Cint/n +CO )+ Rint /n(0.4 Cint/n+0.7mCo)]となる。最適分割数および、最適W/L比を求めるために上の式をn、mで微分してdT50/dn=0、dT50/dm=0とおくと、
n=√(0.4RintCint/0.7RoCo) 、 m=√(RoCint/RintCo) をえる。したがって最小サイズのトランジスタのm倍のW/L比で構成されたリピータを用いて、配線をn分割することで信号路線の遅延を改善することができる。そしてこの時、遅延時間はT50=2.5√(RoCoCintRint)になる。                       


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