半導体用語集
レーザアニーリング
英語表記:laser annealing
アニーリングとは、薄い損傷層やアモルファス層を再結晶化する技術を意味する。半導体デバイス製造プロセスにおいてイオン注入法は、不純物を添加しnおよびp型層を形成する手法として必要不可である。この場合イオン注入を行っただけでは、注入層(数 100nm)は損傷を受けアモルファス化しているとともに、注入された不純物は電気的に活性化されていない。
そこで損傷層を再結晶化し。不純物を格子位置に置換してキャリアを発生させるためにアニーリングが行われる。
半導体のイオン注入層へのレーザアニーリングは1980年代初めから精力的に研究が進められてきた。用いられるレーザは、エキシマレーザ(生として193nm、248nm、308nm)かQスイッチNd:YAGレーザ(基本波:1.06ųm。高調波を合む)が多い。これらのレーザのパルス幅は数〜数 10nsであり,レーザバルス照射
によって半導体の極表面層を数100ns
の時間溶融し固層一液層界面より再結
品化させる。したがって、急峻でごく浅いpn接合を形成するのに適している。
レーザアニーリングの利点は通常の電気炉アニーリングと比較して、プロセス時間を大幅に短縮できること、不純物の基板内部への拡散を抑制できること、固溶限界以上のキャリアを活性化できることなどがあげられる。プロ
セス対象材料は主にAsやBをイオン
注入したSiであるが、その他のドーパントやイオン注入されたGaAsやInPなどのⅢ-V旅半導体に対しても多くの報告が行われている。
しかしながら 1990年代に入ってからは学術誌への発表論文数は減少し、現在研究はほとんど行われていない。
これは上記パルスレーザによるアニーリングでは作用時間が短いため、イオン注入によって形成された欠陥が完全にはアニールアウトできないためである。また基本的には溶融を伴う高温熱プロセスのため、特にIII-V族半導体に対しては新たな欠陥を導入する問題点も指摘されている。このためイオン注入層へのレーザアニーリングの適用は実用化されていない。現在は、高強度ランプを用いたラピッドサーマルアニーリング(RTA)が、半導体イオン注入層のアニーリングの主流となっている。
一方、ガラス基板上のpoly-Siのエキシマレーザアニーリングの研究も、1980年代半ばに始まった。このブロセスは、液晶ディスプレイ用の画素スイッチ素子として用いられる薄膜トタンジスタ(TFT)の作成に応用され
る。ポリーSi TFTはアモルファスSiTFTにくらべて 100倍以上の高速動作が可能で、ディスプレイの周辺駆動
回路をも同時に形成できるという特徴を持っている。しかし従来のプロセスでは1,000°C以上での高温処理が必要で、基板として石英を用いなければならなかった。ところがエキシマレーザを用いると、ポリSi膜領城にしか熱的影響を与えないため、基板として安価なガラス基板を用いることが可能となり。大型液晶ディスプレイへの応用が実現された。さらにエキシマレーザアニーリングでは、結晶粒(グレインサイズ)を大きくするとともに高移動度が容易にえられるといった利点もある。エキシマレーザアニーリングの装置構成は、XeCI(308nm)あるいはKrF(248nm)エキシマレーザ、ビームホモジナイザを中心とした光学系、真空チャンバ、搬送ロポットなどからなる。近年さらなる技術開発が進み、特に長尺線状ビームの開発やレーザの安定化などが実用化に寄与した。すでに本プロセスは工場ラインに乗り。
エキシマレーザアニーリングによって作成されたポリーSiTFT を用いた液晶ディスプレイも販売されている。
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