半導体用語集

レーザゲッタリング

英語表記:laser gettering

エキストリンシックゲッタリング処理の方法の一つで、シリコンウェハ裏面の最表層部をレーザ光線による加熱で溶融し、アモルファスもしくはポリシリコン化させる方法である。したがってでき上がった構造としては,バックサイドポリシリコンコートと同様になるため、ゲッタリングの仕組みも同様である。「この方式のウェハを作るには、シリコンウェハの裏面をレーザで部分的に溶かすが、このような用途に用いるレーザ装置は基本的にウェハに番号など を記入(レーザマーキング)するのに用いられるレーザマーカと同様の装置である。レーザマーキングでは、記入する文字や記号を彫り込む深さが大別して、数umと数10kmの2種類の方式が存在し、それぞれソフトマーキング、ハードマーキングと呼ばれるが、これらの呼び分けは文字や記号を構成する穴や溝の深さに対応しているのであって、レーザ照射によってポリシリコン化あるいはアモルファス化している領域の厚さとは無関係であり、レーザゲッタリングでは文字を彫り込むわけではないので、そのような呼称は使わない。レーザゲッタリングの処理ではウェハ裏面全体の表層を溶融する必要があるが,これに用いるレーザ装置は通常せいぜい直径数10μmのレーザビームを照射できるだけである。したがって、レーザゲッタリングではこの細いビームでウェハ全面を走査する必要があり、かつ1度に1枚ずつ処理することになるので生産性は乏しい。また、商業的に利用可能でシリコンウェハの表層部を効率よく溶融できるような波長のレーザ光を発生させることのできる光源は通常はパルス発振になる。したがって、ウェハ1枚当たり少なくとも数百万回のパルス照射をすることになるが、溶融のされ方がウェハ面内全面およびウェハ間で均一になるようにするには、このレーザパルスが短期・長期ともに安定している必要がある。産業で利用する製品の場合、品質の再現性は生産性の高さ同様大変重要であり、生産的には様々な課題がある。技術的な意味での面白さはともかくとして、コスト、生産性、品質といった面からは、バックサイドポリシリコンコート方式に対する優位性に欠けるため、レーザゲッタリング方式は、商業ベースでのシリコンウェハ製造ではほとんどりようされていない。


関連製品

「レーザゲッタリング」に関連する製品が存在しません。

関連用語

関連特集

「レーザゲッタリング」に関連する特集が存在しません。




会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。