半導体用語集

化学吸着

英語表記:chemisorption

気体または液体分子が固体表面に吸着した時、固体表面との間で電子の交換をして、共有結合・イオン結合・金属結合などの化学結合を形成する吸着のことをいう。ファン・デル・ワールスカによる物理吸着とは結合の性質によって区別される。吸着熱は物理吸着とくらべてはるかに大きく、40~400kJ/molに及ぶ。 このため一般に可逆的でありにくい。吸着分子と固体表面 との距離は約0.1~0.3nmである。化学吸着は固体表面第一層との間で起こるため、表面が吸着分子の単分子層で覆われると終わる。吸着する時、吸着分子内の化学結合が切れて、固体表面原子との間に新たに化学結合が形成されて解離するものを特に解離吸着といい、W上へのH2吸着が典型例である。固体触媒を用いた触媒反応では,化学吸着は欠くことのできない反応素過程となる。金属および半導体の単結晶表面に気体分子(原子)が化学吸着すると、吸着層は固体表面の原子構造とは異なる新たな秩序構造を持つことがあるが、これを超構造と呼ぶ。この構造は、吸着分子内の化学結合と、吸着分子-固体表面間の化学結合の相互作用によって決定され、これを解析することは表面物理の大きなテーマの一つとなっている。


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