半導体用語集

固溶度

英語表記:solubility

 溶質としての不純物原子が溶媒としての母相にどれくらい溶け込めるかを示す量が固溶度であり、単位体積中の原子数で表わす。固溶度は一般的に温度に依存し、かつ不純物原子と母相原子の相対的な原子半径の大きさや原子価などの物理化学的性質に依存する。
 シリコン単結晶の場合にはAs、P、Bなど、いわゆるドーパント不純物の固溶度が大きく、10²¹ ~10²⁰ /cm³レベルであるのに対して、Cu、Au、Feなどの遷移金属不純物の固溶度は10¹⁸ ~10¹⁶ /cm³程度と大きくない。固溶度は温度の上昇とともに増大し、最大値に達した後、1,300℃付近から急激に減少する。
 CZシリコン単結晶の育成では、所望の抵抗値や伝導型をえるために、融液中に不純物ドーパントを添加する。不純物の固溶度は通常、液相中と固相中で異なり、一般的に液相中の方が大きい。固相中と液相中での値の比を平衡偏析係数というが、大部分の不純物ではその値は1以下である。平衡偏析係数は不純物の共有結合半径と相関があり、半径が大きいはど結晶中に取り込まれにくい。また固溶度とも相関が強く、両者は比例関係にある。
 固溶度はシリコンの熱処理プロセスやゲッタリングで重要な意味を持つ。CZシリコン結晶では育成時に、るつぼから溶融した酸素不純物が結晶中に取り込まれる。酸素原子の平衡偏析係数は1前後であるため、固相中には2×10¹⁸/cm³程度の酸素原子が取り込まれ、固化した時には過飽和になっている。そのため酸素原子は冷却の過程で容易に析出し、酸素析出誘起欠陥を生成する。
 イントリンシックゲッタリングでは、固溶度か律速する緩和誘起モデルで説明されている。最初高温では金属不純物はバルク中や表面層内に一様に分布している。次に降温プロセスでは、不純物がバルク内にある析出核に析出し、その温度での固溶度に達した時に終了する。最後に表面層から濃度勾配により金属不純物がバルク内部に拡散し、ゲッタリングが完了する。

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