半導体用語集
工ッチング耐性
英語表記:dry etch resistance
レジストはドライエッチング時にマスクとして機能することが必須である。工ッチングには反応性イオンエッチング (RIE: Reactive Ion Etching) が使われており、レジストにはプラズマに対する抵抗性が要求される。通常レジストの工ッチング耐性は工ッチング時の膜減り速度で評価される。図1 は各種の樹脂膜をCF4ガスでRIE処理を行った時の膜減り速度を示したものである。図1より明らかなようにべンゼン環をはじめとした芳香環(aromatic ring) を含む樹脂が膜減り速度が小さく、エッチング耐性にすぐれている。また、環状炭化水素(脂環族; alicyclic ring)を含む樹脂も同様にすぐれた工ッチング耐性を示している。芳香環はg線からKrFエキシマレジストに至るまでのエッチング耐性基として,脂環族は短波長域での透明性のためArFエキシマレジストにおける工ッチング耐性基として使われている。Arガス、 02ガスでのRIEにおいても同様の結果かえられており, ガス種により樹脂の工ッチング耐性の強さの順序は変わらない。芳香環、脂環族を含む樹脂がェッチング耐性にすぐれていることから、工ッチング耐性は単位体積当たりの炭素数が多いほどすぐれていると考えられている。こうした考え方の一つとして有効炭素数N/ (Nc-No) (N、NC、No:モノマーユニット内の全原子数、炭素数、酸素数: oniashi parameterともいう)という考え方がある。これは、樹脂膜のArイオンスパッタリング速度との関係を示すために導入された定義であるが、おおまかには工ッチング耐性の傾向と合致している。しかしながら、異なる骨格構造からなる樹脂のェッチング耐性などでは合致しない場合も多く、現在のところ、工ッチング耐性について明確に説明できるモデルは出現していない。樹脂の膜減り量は樹脂の骨格構造で決まっており、分子量や架橋構造は関与していない。しかしながら、工ッチング条件によっては温度上昇によりレジストバターンの変形や荒れを生じる場合がある。この場合、UVキュア処理により樹脂を架橋させて改質することが行われている。特にノボラックレジストにおいてはUVキュア処理により非常に有効に架橋反応が進行し、耐熱性の向上とともにパターンの変形が防止されている。
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