半導体用語集

排水処理施設

英語表記:waste water treatment system

 排水処理施設とは、半導体生産に伴い半導体工場が排出する有害物質を含んだ排水を排出先(河川、湖沼、下水道など)により定められた基準(水質汚濁防止法、下水道法、水道法、地方公共団体の条例、ならびに取り決めなどに基づく)に適合するよう除害する施設である。半導体工場の排水は、大きく、無機系排水と有機系排水に分類できる。無機系排水の主要な負荷物質は、シリコンウェハ上に回路を作り込む過程で、各種エッチング工程に供されるフッ酸やフッ化アンモニウムなどのフッ素化合物、リン酸、酢酸などと、洗浄工程に供される塩酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素がある。また、有機系排水の主要な負荷は、有機剥離・洗浄工程のIPA、アミン化合物に代表される水溶性有機溶剤、フォトリソグラフィ工程の樹脂類、TMAH、およびその他洗浄工程の界面活性剤などがある。
 (1)無機系排水の処理
 無機系排水の主要な処理方法には、酸、アルカリに対する中和法、フッ素化合物、リン酸などを難溶性化合物として排水から除害する凝集沈殿法、生物により有機系負荷と合わせて窒素化合物を無害化する生物処理法がある。無機系排水の処理施設は、これらの手法を組み合わせたものである。
 半導体製造に伴う無機系排水に含まれる負荷物質の中で、負荷量が高く、最も排出基準が厳しいのが、フッ素化合物である。このことから、無機系排水処理の主要部分は、フッ素化合物を処理する凝集沈殿法で構成される。凝集沈殿法には、数10 mg/l以上の高濃度領域向けとして、フッ素化合物と難溶性化合物を生成するカルシウムを添加するカルシウム塩凝集沈殿法と、数10 mg/l以下の低濃度領域向けとして、フッ素化合物を吸着する金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化鉄など)を利用するアルミニウム塩(鉄塩)凝集沈殿法が使われている。さらに、水道法などで基準となる0.8 mg/l以下の濃度まで高度な処理を必要とする場合はキレート樹脂法などが用いられている。リン化合物はフッ素化合物と同様、カルシウム塩凝集沈殿法およびアルミニウム塩(鉄塩)凝集沈殿法で処理される。リン化合物および酢酸は生物処理法でも消費される。凝集沈殿法および生物処理法では、処理の結果、生成する難溶性化合物や余剰生物を排水から分離して脱水し、排水処理汚泥として排出する。
 過酸化水素は、酵素分解(カタラーゼ)、加熱分解、活性炭の活性基を利用した活性炭分解などで処理される。
 (2)有機系排水の処理
 有機系排水の処理方法としては、生物処理法が広く用いられており、負荷物質の種類により嫌気性菌による還元、好気性菌による酸化で有機物を無害化する。生物処理法では、生物群自体の固まり、あるいは生物群を担持させた担体を被処理液中で循環しながら有機物を生物の代謝を利用して固定あるいは分解する活性汚泥法が、最も一般的に用いられている。
 また、生物処理が難しい有機物については、酸化剤添加、加熱、紫外線照射並びに触媒を用いた分解手法が用いられる。また、界面活性剤など、これらの分解手法により除害できない場合は、活性炭による吸着分離法が適用されている。

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