半導体用語集

機械的方法

英語表記:mechanical cleaning method

機械的、物理的な力をウェハ表面に付着している不純物に印加して、これらを除去する。主として洗浄対象はパーティクルに絞られる。ウェハ表面に付着しているパーティクルを除去するためには、その付着力よりも大きい力を加えなければ除去することができない。また必要以上にその力が大きすぎると、ウェハ表面にダメージを与えてしまうので注意しなければならない。パーティクルの付着力(Fad)が、主としてファンデル・ワールスカであるとすると、その力はパーティクルの径(d)に比例する(Fad∝d)。一方、これを除去するための力(Fr)、たとえば重力的な力の場合には、その径の3乗に比例する(Fr∝d 3)。あるパーテイクルを除去するためにはFad/Fr<1 でなけれはならないが、Fad/Fr∝d-2 であるので、ある径のパーティクルを除去するにたりる力を加えていても、そのパーティクルよりも小さい径のパーティクルを除去するためには、加えている力が小さい場合がありうる。当然、ウェハ表面に付着しているパーテイクルのサイズは均一ではないので、印加する力の選びどころは難しい。したがって、この機械的方法のみで、ウェハ表面の精密な洗浄は困難であるので、この方法は非常に汚染されているウェハ表面の大まかな洗浄として主として用いられている。また、化学的な洗浄方法とこの方法を組み合わせて (たとえば、メガソニックとSC1の組み合わせなど)、両者の相乗効果により洗浄能力を高める場合もある。


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