半導体用語集

熱応力

英語表記:thermal stress

温度が変化した際に、物体の一部あ るいは全体が自由に熱膨張あるいは熱収縮できないために物体の内部に生しる応力。物体が外部から拘束されているか、物体の材質が均一でないか、物体の各点の温度変化が均一でない場合に生じる。薄膜作製プロセスにおいて温度が変化した時、薄膜と基板の熱膨張率係数の違いによって生じる内部応力がその典型例である。この時熱応力は、薄膜と基板の熱膨張係数の差を⊿α、プロセス中の温度変化量を⊿T とすると、
  σth=Ef ⊿α⊿T
で与えられる。ここで、Efは薄膜のヤング率である。熱応力がULSIの信頼性に与える影響は深刻である。熱応力に起因した故障メカニズムとしては、パッケージクラック・剥離、アルミスライドやフィラー局部応力などが知られている。 電気的特性不良, 耐湿性不良, エレクトロマイグレーション耐性の劣化などの故障現象が起きる。熱応力耐性を向上させるためにパッケージ樹脂の低応力化、パッシベーション膜の厚膜化や硬質化、パターンレイアウトの最適化などの対策が取られている。


関連製品

「熱応力」に関連する製品が存在しません。

関連用語

関連特集

「熱応力」に関連する特集が存在しません。




会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。