半導体用語集

膨潤

英語表記:swelling

架橋反応による感光機構を使っているネガレジストにおいて多くみられ、解像性を低下させる要因となっている。こうしたレジストにおいては、露光により架橋反応を生じポリマー鎖がつながり分子量は増大する。露光量の増大とともに架橋が進行し、各ポリマー鎖当たり1個架橋点が存在すると、 各ポリマー鎖が繋がり分子量が無限大になった状態を生じる。この状態はいわゆるゲル状態で、現像液は入りこむけれども、ポリマー鎖はばらばらにならない。このため、現像液に溶解せず、現像液を吸収して体積が増加する。このようにゲルが液体を吸収して体積が増大することを膨潤という。さらに露光量を増やしていくと架橋はさらに進行し、架橋密度が増大するとゲル構造がしつかりとし、膨潤の程度は小さくなる。こうした架橋型のネガレジストにおいては、膨潤により解像性が著しく低下するため、膨潤を少なくすることが最大の課題とされてきた。膨潤の程度は,架橋密度,樹脂の溶解特性などが影響している。さらに架橋密度は、樹脂の分子量、架橋基の反応性が大きく関与している。近年では、溶解性にすぐれたフェノール樹脂を用いたり、容易に高架橋密度をえられる化学増幅レジストなどにより解像性にすぐれたネガレジストが多数提案されている。


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