半導体用語集

自己バイアス電圧

英語表記:self-bias voltage

プラズマと接地する金属電極に、これと直列に接続したコンデンサを介して高周波電圧を印加すると、電極には直流電圧が発生する。この時間平均した直流電圧成分を自己バイアス電圧という。コンデンサは、この直流電圧か 高周波電源に加わるのを阻止するのでプロッキングコンデンサと呼ばれ、電極は直流的にアースから絶縁されたフローティング(浮遊電位)の状態にある。このコンデンサによって直流電圧が自然に発生する機構は次のように説明される。 ラングミュアプローブに流れる電子電流はイオン電流よりはるかに大きい。高周波電極をプローブ電極と考えると、RFが正の位相にあって電極がプラズマ電位に近づく瞬間に流れる電子電流は、負の位相において流れるイオン電流よりもはるかに大きい。コンデンサに流れる直流電流は0 であるので、1周期の間に流れる平均の電子電流とイオン電流はキャンセルしなければならない。そのためには、電極の直流電圧成分Vpc(自己バイアス電圧)はプラズマ電位Vpより低くなければならない。高周波電圧(VRF)が電子温度にくらべて十分大きいとき、プラズマ電位を基準(Vp=0)とすれば自己バイアス電圧はVDC~-VRFと与えられる。すなわち、高周波電圧に比例して負バイアスが現われるので、このバイアスで加速されて電極をたたくイオンのエネルギーを制御することができる。


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