半導体用語集

軽薄短小

英語表記:light-thin-short-smallized idea

 半導体の技術は、技術革新の速いエレクトロニクスの中でも、最も速く、ダイナミックに進んできた。加工サイズの微細化とチップ当たりの集積度の向上は、半導体デバイスの機能、性能を幾何級数的に向上させ、同時に、様々な機器においてその機能をどんどんチップに取りこんでいった。こうした集積回路ICの機能向上が、あらゆるエレクトロニクス機器の技術革新の源流になっている。半導体の技術進歩は、機能、性能の向上とともに、価格の大幅な低減を実現した。当初はラジオやテレビといった狭い範囲に限られていた半導体の応用分野は、通信機、コンピュータ、家電など、産業用、民生用を問わず、あらゆる分野に広がっていった。こうして半導体は、ビジネスを向上させ、生活スタイルを変え、人目につかない分野でも、産業の効率、安全、省エネに貢献した。また、同時に、半導体によって、新たな電子機器も生まれた。PC、携帯電話、電卓、カーナビ、ゲームなどがそれである。半導体投入係数もかつての10%から20%近くまでなり、エレクトロニクス機器だけでなく、ありとあらゆる工業製品、あるいは人体にも搭載されて、性能向上や機能の拡大に貢献している。皮肉にも、2000年問題の影響は、半導体チップが最も深刻ではないかとの説もあるが、これは、逆にそれだけわれわれの生活や産業活動のインフラとなっていることの証左でもある。
 半導体は、真空管にくらべて、小型、軽量、低消費電力であり、電子機器の軽薄短小化をもたらした。これによって、TVも、ラジオも、それまでの大型なものとくらべれば、圧倒的に小型、軽量で、低消費電力となったのである。しかも、高集積化、MPUの登場によって高付加価値化が促進されると、電子機器は一層使いやすいものになる。また、電卓、ゲームやノートPC、携帯電話など軽薄短小ならではの電子機器も誕生する。しかも半導体集積回路の特性上、興味深いことに軽薄短小化すればするほど、信頼性も増し、機能も増え、コストも下がるのである。半導体あるいは、半導体が搭載される電子機器が登場する以前は、製品の値段は重量当たりで評価されていた。巨大なもの、重いものほど、高価であった。しかし半導体が登場してからは、単価は、ビット当たりで評価されている。重量当たりの単価は、きわめて高価である。これが、ちょうど1970年代のオイルショックと期をーにしていたので、重厚長大産業からの軽薄短小産業へのシフトという意味で注目を浴びた。

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