半導体用語集

近接ギャップ

英語表記:proximity gap

近接露光方式における露光ギャップ (マスクとウェハ間のギャップ)。プロキシミティギャップともいう。近接ギャップは近接露光方式の解像性を支配する重要な要因であり、大きくなると解像性は劣化する。これは1nm前後の軟X線といえども光としての波動性を有しているために、X線マスクのパターンエッジで回折を起こし、X線強度分布(露光コントラスト)を劣化させることに起因している。 回折のおよぶ範囲 (パターンエッジからの距離) は、概略的にはキャップとX線波長の積の平方根に比例するので、 この影響を小さくし解像性を高めるためにはギャップを小さくすることが有効となる。100、70nmパターンの解像性を保障するするには、それぞれ20、10μmギャップが必要と考えられる。しかしながら、あまりにギャップを小さくするとX線マスクとウェハが接触し、マスク破損の原因になるため、露光システムを構成するうえでの制約となる。特に、LSI製造のような量産用システム(ステッパ)では、長時間の高速かつ安定動作による経済性が要求されるため、マスク破損は大きな問題となる。現状の技術で15μm ギャップの制御は達成可能な範囲にあり、10μmギャップに向けた検討が進められている。この値当たりが一つ の壁になりそうである。実験的には数μmのマイクロギャップも実現可能である。


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