半導体用語集
近接露光方式
英語表記:proxmuty exposure method
原版(X線マスク)と感光剤(レジスト)を塗った被露光基板(ウェハ)を向かい合わせ、両者間が数10μ m以下の小さい(近接)ギャップで互いに平行になるように制御し、かつ両平面内のパターンを相互に位置合わせした状態で、X線マスクを通してウェハ面にX線を照射し、レジストを感光させ、X線マスクパターンと等倍のレジストパターンを転写する露光方式。マスクとウェハ間のギャップ(近接ギャップまたはプロキシミティギャップ)は、解像性を支配する重要な要因であり、ギャップが大きくなると解像性は劣化する。これは1nm前後の軟X線といえども光としての波動性を有しているために、 X線マスクのパターンエッジで回折を起こし、X線強度分布(露光コントラスト)を劣化させることに起因している。回折の及ぶ範囲(パターンエッジからの距離)は、概略的にはギャップとX線波長の積の平方根に比例するので、この影響を小さくするにはギャップを小さくするかX線波長を短くすることが有効となる。しかし、X線の短波長化は光子の高エネルギー化を意味し、X 線照射によりレジスト中で発生する光電子、オージェ電子(露光反応を起こさせる基になる)のエネルギーも大きくなり、レジスト中の広い範囲に散乱する。これに伴い露光反応範囲が広がるために、パターンエッジにボケが生じ、結果として解像性が劣化する。また、ギャップをあまり小さくするとマスクとウェハの接触の危険性が増し、 マスク破損の原因になるので、こちらにも制限がででくる。したがって、求められる解像性に対してX線波長とギャップの最適な値(妥協点)が存在する。0.2 ~0.07 μmパターンに対するX線波長の最適値は0.7~1. Onm 程度、ギャップは40~10μm程度となる。
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