半導体用語集

選択エッチング

英語表記:selective etching

 デバイス構造を作製する場合に,二層の材料間で都合のよいエッチング速度比をえることによって,必要とする二層の材料パターン構造をえることができる。プロセス要求に合ったエッチング速度比を達成するエッチングを選択エッチングと呼んでいる。たとえば,Si基板上にSiO₂薄膜が形成された二層構造を考えると,埋め込みプロセスのためにSi0₂に孔をあける場合,(Si0₂のエッチング速度/Siのエッチング速度)の選択比が無限であれば,エッチングはSi基板のところで止めることができる。また,SiMOSデバイスの高性能化に伴い,ゲート酸化膜厚も10nmオーダになってきており,ゲート酸化膜上のポリシリコンゲートパターンをエッチングする場合,ポリシリコンのエッチング終了後,絶縁性Si0₂層はエッチングし,下にあるSiエミッタ領域に達するとエッチングが止まる選択エッチングがプロセス上要求される。CF₄にH₂を添加した放電はSiのエッチング速度を減少させるが,Si0₂のエッチング速度はかなり一定になることがわかっており,これは酸化物を選択的にエッチングできることを示している。この選択力はかなり実用的に重要である。H₂の働きはHFを形成するためにFラジカルと結合することにある。それで,“結びついた”FはSiをエッチングする。衝突解離したCF⁺イオンにより,Si上に堆積したCは,Siのエッチングを妨げる。装置の中で,F:Cの比を制御することが必要になる。H₂の添加はこのための一つの方法である。GaAs/AlGaAs選択エッチングは,CCl₂F₂ガスを用いた反応性イオンエッチングにおいて報告されている。これはプラズマ生成されたFラジカルが,AlGaAs中のAlと非常に高耐性のAlFₓフッ化物層を形成するためである。このように,プロセスに応じた様々な選択エッチングがガス種,エッチング装置などを工夫することによって開発されている。


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