半導体用語集
間接遷移型半導体
英語表記:indirect energy gap semiconductor
半導体のエネルギー帯構造において、価電子帯の上端はΓ点に存在するが、伝導帯の下端はΓ点にある場合とΧ点、L点などに存在する場合がある。伝導帯下端がΧ点やL点にある場合、伝導帯下端の電子と価電子帯上端の正孔は、k空間で異なる位置を取ることになる。光の波数は半導体の逆格子ベクトルにくらべ十分小さいために、このようなエネルギー帯構造の半導体では、エネルギーと運動量(波数)の保存の関係から、キャリアが光のエネルギーを直接受け取ることができない。このようなエネルギー帯構造を持つ半導体を間接遷移型半導体という。間接遷移型半導体でもフォノンの放出、吸収を伴えば、kのずれた位置に間接的に遷移することは可能であるが、遷移確率は直接遷移にくらベ小さくなる。間接遷移型半導体の代表的なものにSi、Ge、AlAs、GaPなどがある。AlGaAs混晶の場合には、 Al組成が約45%で直接遷移型から間接遷移型に変化する。間接遷移型半導体では、伝導帯に励起されたキャリアが直接フォトンを放出して価電子帯に緩和することができないため、少数キャリア寿命はµsからmsと長い特徴がある。また、間接遷移型半導体では伝導帯下端がΓ点にないため、伝導帯下端付近のバンド構造が楕円形状に近くなり、有効質量が一般に大きくなる他異方性も生じる。なお、間接遷移型半導体と異なり、光のエネルギーをキャリアが直接受け取れるバンド帯構造の半導体を直接遷移型半導体(「直接遷移型半導体」の項参照)という。
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