半導体用語集

電解イオン水

英語表記:electrolytic ionized water

希薄な電解液中に電極を2本立て、 それらの電極間に電圧を印加した時 に、陽極と陰極からそれぞれ陰イオンと陽イオンが発生して、電極近傍の電解液のpH (水素イオン濃度)と酸化還元電位を変化させる。つまり,所望のpHと酸化還元電位の溶液を電極間に印加する電圧により、陽極あるいは陰極近傍に生成することができの時陽極と陰極近傍で生成される電解溶液をそれぞれ陽極水、陰極水と呼び、両者を含めて電解イオン水と呼ぶ。実際には陽極室と陰極室をイオン交換樹脂などを介して分離し、それぞれの室に電解液や純水を流しながら室間に電圧を印加して、陽極水、陰極水を生成、供給する。たとえば陰極に純水、陽極に希塩酸電解液(10-2 mol/l)を流しながら、両極間に電圧を印加した時に生成される陽極水を通常の塩酸溶液では完全に除去することが難しい銅(Cu)で、1012~1013atoms/cm2汚染したシリコンウェハ表面の洗浄に用いた場合、全反射蛍光X線では検出できないレベルまで(1010atoms/cm2以下)低減することができた。この時用いた陽極水のpHは2で、また酸化還元電位は1,000mV vs NHE (標準水素電極)以上であり、同じpHの塩酸水のそれ(約700mVと比較して十分高く、これが金属汚染物除去能力が高い原因と考えられる。また実際に陽極水中に含まれるイオン種を調べて,それぞれのイオン種のCu汚染物除去能力を調べたところ、ClOーイオンの寄与が最も高いことが示されている。一方、pHが7以上で酸化還元電位がNHEに対して負の陰極水においては、SC1溶液のようにパーティクル除去の効果が期待できる。この電解イオン水を用いたシリコンウェハの洗浄技術はいまだ評価段階ではあるが、薬液の使用量を極端に低減できる可能性があり、非常に期待される技術である。


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