半導体用語集
面取り
英語表記:bevel
シリコンウェハの分野では「面取り」よりも、「ベベル(bevel)」、「べべリング(beveling)」あるいは「エッジラウンディング(edge rounding)」と表現される方が多い。ベベル加工とは、シリコンインゴット(円柱状の素材)からウェハに切断した後、其の円柱の外周(円周)面と切断面との交点である角を削り落としウェハ外周部分を厚さ方向に丸める加工を指している。
面取り加工を行う主な目的は、きわめて脆い素材であるシリコンのウェハが、ウェハ製造からLSI製造の過程での取り扱い時のちょっとした接触や衝撃で欠けたりひびが入ったりすることを避けるためである。面取り加工は歴史的にはシリコンウェハの直径が3インチの頃より明示的に行われるようになり、この端面面取りウェハを使用することでIC製造工程中での発塵が低減されIC製造歩留りが目にみえて向上したという経緯を持つ。端面面取り加工ではこれまでは砥石により面取り形状を整え、以降のウェハ製造工程による化学エッチングを経た面仕上を用いていたが、今日では最先端LSI用に用いられるウェハを中心にこの端面からの発塵の可能性をさらに低減することを目的に面取りし、エッチングされた端面をさらに鏡面研磨したものが用いられるようになってきている。今日では、この面取り加工による仕上がり形状も、「edge profile(端面形状)」として一定の形状範囲に入るように、日本電子工業振興協会(JEIDA)や、Semiconductor Equipment and Materials International(SEMI)にあより標準規格が設定されている。このように、面取り面といえどもミクロン単位の精度が要求されること、また、この面取り加工がウェハの外周形状の精度をほぼ直接的に決めてしまうことから、かなりの高精度加工が必要である。このため、加工装置も以前は倣い砥石による加工方式であったが、今日では精密NC(数値制御)加工機による切削加工機を用いることが多くなっている。
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