半導体用語集
高周波スパッタリング
英語表記:high frequency sputtering
直流スパッタリング装置の陰極に誘電体ターゲットを貼りつけ,インピーダンスを整合し高周波電源(通常は13.56MHz)に接続すると放電が可能となり,高周波スパッタリングと呼ばれている。直流の場合と同様,陰極降下電圧かスパッタリングの重要な役割を担っている。電子とイオンの移動度が大きく異なるので,コンデンサを通して高周波電圧を加えると,まず最初に電極へ大きな電子電流が流れ込む。次の半周期でほんのわずかのイオン電流しか流れない。定常状態では電荷は電極表面に停どまっているので,電極表面の電圧は負に自己バイアスされ,その平均電圧はほぼ印加高周波電圧の最大値である。一方の電極だけをスパッタするのには,ターゲットが金属の場合には容量結合で高周波電源に接続され,その面積(Ac)が他方の電極(Ad)にくらべて,十分狭くなければならない。グロー放電空間と容量結合電極間にかかる電圧(Vc)と,グロー放電空間と面積の広い電極間にかかる電圧(Vd)との比は,両電極の面積比として表わされ,Vc/Vd=(Ad/Ac)²で表わされる。実際,一方の電極は系のべースや壁面であり,ターゲットにくらべると面積は著しく広い。すなわち,電極間のほどんどの電圧はターゲット近傍の陰極降下となり,直流の場合と同様,イオンの衝撃を受けスパッタリングが連続的に行われる。石英ガラスやセラミックスのような誘電体薄膜はこの方法で容易に堆積することができる。また,高融点金属,金属酸化物,シリサイド,窒化物や金属間化合物のような半導電性材料など,真空蒸着では困難な薄膜の堆積も可能である。
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