半導体用語集

高密度プラズマCVD

英語表記:HDP CVD : High Density Plasma CVD

ECR (Electron Cyclotron Reso nance Plasma)、ヘリコン (Helicon Wave Excited Plasma)やICP (Inductive Coupled Plasma)などの高密度プラズマ源を用いたCVD。HDP (High Density Plasma) CVD とも呼はれる。成膜中に、基板へ高周波を用い、バイアスをかけることからバイアスCVDとも呼ばれる。高密度プラズマ部で生成されたイオンやラジカルを輸送し、バイアスのかけられた基板上に成膜を行う方式である。
ECRは2.45 GHzのマイクロ波と磁場の相互作用による電子サイクロトロン共鳴を利用して高密度プラズマを発生する方法である。ヘリコンも13.56MHzの高周波と磁場の相互作用により高密度プラズマを発生する方法である。ICPは高周波を用いた誘導結合型のプラズマ発生である。初期においては、誘導結合型のプラズマ密度はあまり高くなかったが、ガス圧力や投入電力を制御することで、現在では高密度プラズマ源として用いられるようになっている。
通常の容量結合型プラズマCVDに比較し, HDPCVDではより低温で高速の成膜が可能となる。また,通常のプラズマCVDでは、実用的な成膜速度がえられないような反応ガスを用いても、高密度プラズマでは、反応ガスの解離が進むため十分実用的な成膜速度がえられる場合がある。高密度プラズマCVDの場合、基板にバイアスをかけなくても成膜は可能であるが、この場合段差側壁部の膜がポーラスになるといった問題が発生する。このため、LSIの製造プロセスにおいてはバイアスを基板にかけることが必須となる。また、Arガスを添加し、バイアスを高くすることでArによるスパッタエッチングの効果が現われる。成膜とスパッタエッチングが同時に進行する状態であるが, 微細配線間ギャップでの埋め込み性が大幅に向上する。段差被覆性を写真1に示す。 成膜成分とスパッタ成分の割合を制御することで、微細配線上では平坦な酸化膜表面がえられる。また、幅広配線上においては、 スパッタエッチング特有のテーパ状の酸化膜表面形状を示す。


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