半導体用語集

DIP

英語表記:Dual In-line Package

 挿入型パッケージの一つ。
 DIPは,1962年にTexas Instruments社,Motrola社,Fairchild社により開発された。アウタリードをパッケージの二側面より取り出し,実装面に対して垂直に形成する半導体パッケージであり,基板に挿入して実装する挿入型パッケージの代表的なものである(図1)。アウタリードピッチは0.0254mm(100mil)が主流であり,パッケージの幅は300,400,600,750,900milのラインナップで標準化されている。
 DIPの長所は,挿入型のためが容易なこと,はんだ接合強度が強く,信頼性の管理も容易であることがあげられる。一方,アウタリードピッチが大きく,ピン数に対してパッケージ面積が大きいこと,片面実装のため実装面積が2倍必要なことなど,挿入型ゆえの短所もある。
 LSIの開発当初は,セラミックスの積層タイプが主流であったが,製造コストや生産性の問題から,プラスチックタイプのDIPが1960年代に開発された。1980年頃までの挿入型パッケージの主流期には,そのほとんどをDIPが占めていた。しかし,挿入型ではパッケージの縮小化や薄型化の要求に対応することができず,表面実装型であるSOP(Small Outline Package)やQFP(Quad Flat Package)に置き換わった。近年では,実装スペースに制限の少ないものや,高い信頼性を必要としない電気機器などに用途が限られている。


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