半導体用語集
PLL
英語表記:Phase Locked Loop
PLL(位相同期ループ)は外部からの入力信号とローカルの基準信号との位相同期を取る機能を有する回路である。応用分野はラジオ、テレビなどの変復調回路、モータの速度制御、計測器、あるいは通信システムなど広範囲にわたる。PLL技術の歴史はトランジスタの登場よりも古いが、半導体集積回路技術の進歩に伴い特殊用途を除いてほとんどIC化され市販されている。データ通信、衛星通信などにおいては安定性、信頼性の観点からデジタル構成のPLLであるDPLL(Digital Phase Locked Loop)の研究も盛んである。応用分野によりPLLの回路構成は異なるが、一般的に、回路はローカルの基準信号源である電圧制御発振器と、この発振器出力と外部入力信号との位相比較を行う位相比較器と、低域透過フィルタ(LPF:Low Pass Filter)によって構成される。位相比較器では外部からの入力信号と電圧制御発振器の出力信号との位相差に相当する電圧を発生する。低域透過フィルタでは位相比較器の出力信号から高周波成分を除去し低周波成分だけを電圧制御発振器への制御電圧として出力する。この制御電圧により発振器は発振周波数と入力信号の周波数差が小さくなるように制御される。ここで、低域透過フィルタの特性はPLLの同期特性や応答特性に決定する重要な要素となる。PLLの性能として代表的なものに同期保持範囲と周波数引き込み範囲がある。同期保持範囲とはPLLが同期状態の時に入力信号の周波数を電圧制御発振器の発振周波数から離していった場合に、同期はずれとなるまでの周波数範囲である。また、周波数引き込み範囲とはPLLが非同期状態の時に入力信号の周波数を電圧制御発振器の発振周波数に近づけていった場合に同期状態となる周波数範囲である。PLLの基本特性についてはループ内の伝達関数を導くことにより求められ、低域透過フィルタの特性およびループ利得の設計が重要となる。
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