半導体用語集
Pt
英語表記:platinum
原子番号: 78、原子量: 195.09、格子定数: 3.9231、抵抗率: 10.6 (μΩ/cm)の貴金属。高誘電率材料である STOやBST、PZT、SBTなどの酸化物強誘電体材料は、結晶化や特性改善などのために高温酸素処理を行う。そのため電極材料としてはそのような熱処理に耐えるものでなくてはならない。また、結晶性薄膜を成膜するには下地が非常に重要となり、格子整合性などが要求される。ptはそれらの条件を満たす材料として最も多く用いられている電極材料である。ptは立方品で面心立方格子を取る。面心立方格子は最密充填構造であり、この構造を持つ材料を成膜すると (111) に自己配向する。Ptも自己配向性が非常に強く、Si02などのアモルファス上の成膜すると強く (111) 配向する。 PZTなどのペロブスカイト系材料との格子定数のミスマッチも比較的小さいため、(111) 白金上に配向したペロ ブスカイ ト薄膜がえられやすい。しかし、 Pt薄膜は柱状構造になりやすいこともあり誘電体薄膜構成元素がPt を通して下地に拡散してしまう。 この ような拡散が起こると誘電体薄膜の元素に欠損が起こり結晶の乱れを引き起こしキャパシタの特性が劣化する。また、Ptは還元触媒性が非常に強く、還元雰囲気に弱い酸化物強誘電体は還元されて特性が劣化しやすくなる。このようなことから電極材料として酸化物電極などのptに代わる電極が検討されている。
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