半導体用語集
TiSi₂
英語表記:titanium silicide
ケイ化チタン。高融点金属のシリサイド膜の中では、最も比抵抗が低い部類に属しており、高耐熱配線材料やコンタクト部の電極材料として半導体素子に広く用いられている。TiSi₂ の形成に使用される金属チタンは、還元性が強くシリコン酸化膜を還元することができるため、シリコンとチタンに熱処理を加えてシリサイド反応を起こす際に、同時にシリコン表面に形成されている自然酸化膜が還元される。このため、均ーなシリサイド層の形成が容易で、低抵抗なシリサイド/シリコン間コンタクトがえられるという特徴を持っている。一方、TiSi₂ を用いたサリサイドプロセスの課題として、配線幅の減少に伴って急激に配線抵抗が上昇する「細線効果」、ゲート電極のサイドウォール上にシリサイドが成長することによってゲート-ソース・ドレイン間ショートが発生する「這い上がり現象」の抑制がある。前者は、準安定状態で高抵抗な C₄₉ 構造から安定で低抵抗な C₅₄ 構造への相転移が、細線部で阻害されることに起因している。高温長時間の熱処理を加えることによって、C₄₉-C₅₄ 相転移は起こるが、TiSi₂ が島状で不連続な膜になってしまう「凝集」に起因する抵抗上昇が発生する可能性がある。このため、
C₄₉-C₅₄ 相転移の促進と凝集反応の抑制によって、プロセスウインドウを拡大することが重要である。後者は、TiSi₂ の形成反応がシリコンの拡散によって進行することに起因しており、N₂ 雰囲気での 2 ステップアニール法でシリサイド形成を行うことで改善されることが知られている。
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