半導体用語集

ELTRAN

英語表記:Epitaxial Layer Transfer

選択的工ッチングを用いたBESOI の一種であり、1994年にCannonから提案された(図1 )。選択的工ッチングには単結品SiとポーラスSiの工ッチング速度差を利用している。ELTRAN作製プロセスではSi基板表面をHF溶液(HF十 C2H50H)中で陽極酸化し、ポーラス Si層を形成する。このポーラスSi上に薄膜Si層用のSi単結晶層をエピタキシャル成長するが、エピタキシャル成長前にプリべークおよびSiH4のプリインジェクションを行い、ポーラス Si表面の微細孔を塞ぐ。エピタキシャル層表面を熱酸化後、貼り合わせ、貼り合わせ強度を確保するための熱処理を行い、薄膜Si層側のSi基板を研削で薄くする。その後、工ッチングするが、工ッチング液にHF十H2O2を用いると、単結晶Si とポーラスSiのェッチング速度比が1X105 と非常に大きく取れるためポーラスSiが工ッチングされた後、均一な薄膜Si層 (エピタキシャル層)が形成される。単結品SiとポーラスSiの工ッチング速度比が非常に大きいのは、ポーラス Siではキャピラリ効果によりエッチング液がポーラスSi層の微細孔に入り、工ッチングがポーラスSi層全体で同時に進行するためである。工ッチング直後の薄膜Si層表面は凹凸が大きいため1,050℃、30分の水素熱処理を行い表面を平坦化する。ELTRANの特徴は薄膜Si層にエピタキシャル層を用いるためCOPなどのgrownーin欠陥がないことである。 しかし、2X102 ~ 6X103Cmー2の積層欠陥が確認されている。また、ポーラスSi層形成時の陽極酸化条件を途中で変更し、ポーラス Si層を2層構造とし、貼り合わせ、熱処理後にポーラスSi層間で劈開させることによる生産性向上も検討されている。


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