半導体用語集
OH基
英語表記:OH group
ここでのOH基はSOIの貼り合わせ法に関するものである。酸化膜を介してSi基板同志を貼り合わせる場合、たとえばSi基板の片方に熱酸化を成し他のSi基板と室温,大気中で特に圧力を加えないで貼り合わせる。Si基板表面に自然酸化が存在して親水性の場合は表面にOH基が形成されており、このOH 基がもう一方の酸化表面のOH基と水素結合で結合される。実際の基板表面には徴小な凹凸があるが、表面吸着水分による水クラスタにより密着されるとのモデルも考えられている。貼り合わせ後は貼り合わせ強度を増すために1,100℃程度で熱処理する。この熱処理でOH基の熱分解が起こり最終的にはシロキサン結合に変わる。Si基板同士を直接貼り合わせる場合も同し機構で説明され、自然酸化膜表面に形成されたOH基を介して基板同士が貼り合わせられる。界面のOH基は熱処理時にH20となりSi基板中に拡散して、最終的にはSi-Siの結合が形成される。 実際、高真空炉内でSi基板表面の自然酸化膜をスパッタ法で除去後、真空炉内で貼り合わせた実験ではまったく結合しないことが報告されている。このようにSi基板の貼り合わせ法ではOH基が中心的な役割を果たしている。
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