半導体用語集

SIMOX

英語表記:separartion by implanted oxygen

SOI(Silicon on Insulator)の素子形成技術の一つである。デバイス設計ルールが、0.1μmを下回るころから、現在の導通型のシリコン基板を用いた技術では、限界となり、SOI技術が必要になるとされている。SOI基板形成技術には何種類かの方法がある中で、もっとも有望視されているものがこのSIMOXである。この方法以外には、Hを注入することにより基板中にボイドを形成し別のシリコン基板をその上に貼り合わせた後にH中により形成されたボイドからカットして、SOI基板とする技術などがある。SIMOX技術は、通常の注入に比べて3から4桁高いドーズ量2×1018cm-2レベルの大量の酸素注入を行うことで、基板内に酸化膜層を形成する技術である。加速エネルギーは、形成する膜厚によって50から200keV程度で注入する。この時に表面側のシリコン層に結品性を残留させる必要がある。注入時に温度が低いと表面のシリコンは、非品質になるので、注入中に500℃程度の高温にしておく必要がある。このために開発された酸素注入装置は、100 mAクラスの酸素ビームを出す能力を持つ。最大電流値は、18乗レベルのドーズ量を必要とするため に通常の装置の4倍程度の電流をえる工夫がなされている。酸素イオンを出す場合は、イオンソースにフィラメントを使うと、酸素により酸化してしまうという問題があるため、フリーマン、バーナスというフィラメントタイ プのイオンソースでは、寿命がほとんど望めない。そのため、ECR夕イプや、 フィラメントが酸素に直接さらされることがない工夫を施したタイプのイオン源が用いられる。 近年では, 注入後1,300℃の超高温アニールと組み合わせることで、 17乗オーダのドーズ量で良質な酸化膜と表面側にシリコン薄膜層を形成することができる技術が開発された。 この技術により生産能力が5倍程度に増大した。


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