半導体用語集
しきい値電圧
英語表記:threshold voltage
FETにおいてゲートがオフ状態からオン状態へ替わるゲート電圧のこと。ピンチオフ電圧ともいう。n型の FETの場合、オン状態におけるソース・ドレイン間の飽和電流値(Id)は、近似的にゲート電圧(Vgs)としきい値電圧(Vth)の差の2乗に比例する。すなわちIdoc(Vgs-Vth)2である。ただし、高電子移動度トランジスタ(HEMT)の場合は、Idoc(Vgs-Vth)と近似できる。実際にはゲート電圧がしきい値電圧近傍になると、ドレイン電流はこの傾向から外れるが、しきい値電圧は、ゲート電圧とドレイン電流の関係から前述の関係式に基づいて外挿して求めることが多い。 p型のFETの場合は、ゲ←卜電圧とドレイン飽和電流の関係がn型とは逆転し、ゲート電圧が小さくなるほどドレイン電流は大きくなる。
しきい値電圧の符号はFETの動作を特徴づけるうえで重要である。たとえばn型のFETの場合、しきい値電圧が負の値であれば、ゲート電圧が印加されていない時ソース・ドレイン間はオン状態となり、ゲートに負のバイアスを印加することによって、チャネルを空乏化(deplete)させてオフ状態を作る。このようなFETをデプレーション型(depletion mode) FET、あるいはノーマリオン型(normally on mode)FETという。それに対して、しきい値電圧が正の場合、ゲート電圧が印加されていない状態では FETはオフ状態であり、ゲートに正のバイアスを印加してチャネルのキャリア濃度を増加(enhance)させてオン状態にする。このようなFETを工ンハンスメント型(enhancementmode) FET、あるいはノーマリオフ型(normally-off mode) FETという。
関連製品
「しきい値電圧」に関連する製品が存在しません。キーワード検索
フリーワードやカテゴリーを指定して検索できます
関連用語
関連特集
「しきい値電圧」に関連する特集が存在しません。
会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。