半導体用語集

アルミナ基板

英語表記:alumina substrate

 基板材料にアルミナ(Al₂O₃)を使用した配線基板。
 セラミック基板の中で最も一般的であり、厚膜ハイブリッドICの主流をなす基板である。アルミナ基板は通常90%以上のアルミナと10%のガラス成分から構成されている。焼結前にはアルミナとガラスの結合を支えるバインダ,溶剤,可塑材などが混在するが,焼結後には,アルミナとガラス以外の成分は分解される。
 アルミナ基板の製法は大きく分けて,三つの方法がある。一つ目は,厚膜ハイブリッドICに使用されている厚膜印刷法と呼ばれる方法で,焼結されたセラミック基板上に導体ペーストと誘電体ペーストにより回路形成した基板である。また,ペーストを交互に印刷,乾燥し,焼成させた多層基板もある。二つ目は,グリーンシート多層印刷法と呼ばれるもので,グリーンシート上に導体ペーストと誘電体ペーストを交互に印刷,乾燥を繰り返して最後に焼結する方法であり,高信頼性が要求される実装基板として使用されている。三つ目は,グリーンシート積層法と呼ばれているもので,グリーンシート上に導体ペーストを印刷し,これを複数枚積層圧着して焼結する方法で,PGA(Pin Grid Array)などのパッケージに使用されている。厚膜印刷法の導体材料として最も多く使用されているのはAg/Pdペーストであるが,電気抵抗の少ないCuペーストも使用されている。またグリーンシート多層印刷,グリーンシート積層で使用されている導体材料はW,Moペーストである。
 アルミナ基板の特徴は,主原料であるアルミナの特性がそのまま反映されている。アルミナは酸化物系の中では大きな機械的強度を持ち,耐熱性,熱伝導性,化学的耐久性,電気絶縁性に優れ,回路基板として必要な特性を持っている。さらに,他のセラミック基板にくらべ比較的安価に入手することができる。基板は小さいもので1mm程度のシングルチップ用のパッケージ基板から,大きなものになると100mmを超えるMCM(Multi Chip Module)用の大型基板まで多種多様に使用されている。


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