半導体用語集

イオンビームリソグラフィ

英語表記:ion beam lithography

光リソグラフイや電子ビームリソグラフィの代わりにイオンビームを用いてリソグラフィを行う技術のこと。集束イオンビームによる直接リソグラフィとマスク使用による一括転写リソグラフィ技術に分類され、また、後者は、1対1でマスクパターンを転写する等倍露光と、マスクパターンを1/5程度に縮小し露光する縮小転写リソグラフィに分けられる。イオンピームをリソグラフィに利用する利点は、レジストへ照射されたイオンビームの散乱による横方向への広がり、および基板からの後方散乱イオンの量が、電子線と比較すると非常に小さいため、高解像度が期恃できるとともに、近接効果がほとんど無視できることである。また、レジスト中でのエネルギー阻止能が、電子線より大きく、 レジスト感度が2桁程度向上することである。集束イオンビームリソグラフィでは、液体金属イオン源を用いた装置が使われ、加速エネルギーは数10keVから100keV程度である。このため、ガリウムのような重イオンでは、露光できるレジストの厚さは100nm程度となり、パターン形成後の処理には耐えられない。そこで、Au-Si-Be液体合金イオン源からのべリリウムイオンなどの軽イオンが用いられ500nm以上の厚さのレジストの露光が可能となる。電子線露光では、位置合わせのためのマーク検出は後方散乱電子を検出して行われるが、集束イオンビームの場合には、後方散乱イオンの収率は低く、マーク検出が最も問題となる。解決策として、マーク部分のレジストのみを剥離する提案もある。 マスク使用イオンビームリソグラフィでは、ヘリウムや水素などの軽イオンを使うことで,加速エネルギー100 kev程度で500nm以上の厚さのレジストを露光している。等倍露光では、孔のあいたステンシルマスク、 100nm以下の超薄膜上に吸収体パターンを置いたマスク、イオンのチャネリング現象を利用したチャネリングマスク、反対にデチャネリングを利用したマスクなどが提案されている。一方、縮小転写では、ステンシルマスクが用いられる。


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