半導体用語集

イオンプレーティング

英語表記:ion plating

 イオンプレーティングは、イオン化蒸着と同義語として利用される。
 原理的には、プラズマ雰囲気で行う蒸着法の一つであり、物理的成膜技術に分類される。単純なイオンプレーティング装置では、抵抗加熱金属蒸発源、プラズマ発生電極と基板から構成される。蒸発源から発した金属原子は、プラズマ領域でイオン化され、電界で加速されて基板に衝突して膜となる。プラズマガスにはArなどの不活性ガスが用いられるのが普通である。添加ガスなし金属原子だけでプラズマを発生させることもある。N₂やO₂などの反応性ガスを導入すれば、二元系、三元系の化合物膜を成膜することが可能である。成膜圧力は一般的には、1~0.05 Torr程度である。イオンプレーティング蒸発源と基板間に数kVの電圧を印加してプラズマを発生させる場合、イオン化された金属イオンは基板に向かって加速され、単純な真空蒸着に比較して、堆積膜の付着力が大きくなる利点がある。
 蒸発源の構成、プラズマ発生方法、基板へのバイアス電圧印加方式の組み合わせで種々の方式がある。イオンプレーティング法は、LSIウェハプロセスにおける薄膜堆積技術としては利用されていないが、一般的には堆積膜の付着力が強く、気孔率が小さく、耐食性、絶縁性に優れ、硬さや弾性などの機械的性質に優れることから、機械工業分野での応用が多い。Ag、Auなどの金属膜は防錆や装飾用、TiN、TiCなどの窒化物や炭化物は工具や時計部品の耐摩耗膜として利用されている。

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