半導体用語集
物理的成膜技術
英語表記:physical thin film deposition
具体的には、真空蒸着、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを利用した薄膜堆積方法のことを意味する。最も簡単な物理的成膜技術は「真空蒸着法」である(図1)。薄膜を堆積させたい基板が置かれている真空容器内で、薄膜を堆積させたい物質を加熱により蒸発させ、基板上に堆積させる方法である。基板は加熱する場合もある。また、一般的には、蒸発源と基板の間にシャッタが挿入され堆積開始と終了を制御する。実験室レベルでは「るつぼ」ではなく、タングステンやモリブデンワイヤに蒸発させたい金属を巻きつけ加熱して簡単に蒸着させることができる。電子ビーム蒸着法[EB蒸着と呼ばれている]は、電子ビーム加熱を利用して原子を蒸発させる方法である。るつぼの加熱により蒸発させることのできないタングステンやモリブデン、タンタルなどの高融点金属の蒸着に利用される。るつぼを利用する真空蒸着法、電子ビーム加熱を利用する電子ビーム蒸着法とともに、蒸発源は点源と近似できるため、大面積基板上への堆積の場合には、蒸発源構成ならびに基板配置に工夫が必要となる。LSIプロセスにおける配線金属堆積技術として純Alを利用していた時は、蒸着法が利用されていたがフィラメントに利用していたモリブデン汚染が問題となり、電子ビーム蒸着法が一時利用されたが、電子ビーム蒸着法ではデバイスヘの放射線損傷が問題となり、後述のスパッタ法が広く利用されるようになった。るつぼで加熱蒸発させるにせよ、電子ビームで加熱蒸発させるにせよ、堆積させたい物質が化合物である時は、一般に原子の蒸気圧が異なるので堆積膜の組成と原料物質の組成が異なる欠点がある。フラッシュ蒸着は、複数の元素からなる物質を堆積させたい時に利用された方法で、堆積させたい物質を昇華に近い状態で蒸発させ堆積させる方法である。化合物を堆積させる方法として、複数のるつぼを利用させる方法として、1960~1970年代に3温法が利用された。たとえば、GaAs薄膜を堆積させる時に、GaとAsを異なるるつぼで蒸発させ、基板を加熱し、基板表面での原子のマイグレーションを利用して薄膜堆積させる方法であった。これをさらに発展させたのが今日MBE(Molecular Beam Epitaxy)法と呼ばれる方法である。MBE法は真空蒸着法の一種に分類することができる。MBE法では、真空容器内の真空度を10⁻¹⁰Torr以下の超高真空することによって、不純物の混入を極力低減させ、原子の蒸発速度を遅くすることによって、基板表面上での付着原子のマイグレーションを促進させて基板上にエピタキシャル成長させる方法と位置づけることができる。
物理的堆積法の一つであるスパッタリング法は、構成元素を加熱ではなくスパッタリング現象を利用するものである。レーザアブレーション(laser ablation)法と呼ばれる堆積方法は、非堆積物質をレーザで加熱昇華させる方法と位置づけることができ、複数の構成元素からなる化合物や融点の高い物質の薄膜堆積に利用されている。
関連製品
「物理的成膜技術」に関連する製品が存在しません。キーワード検索
フリーワードやカテゴリーを指定して検索できます
関連用語
関連特集
「物理的成膜技術」に関連する特集が存在しません。
会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。




