半導体用語集

オージェ電子分光法

英語表記:Auger Electron Spectroscopy

固体表面に照射された電子線によって内殻準位の電子がたたき出されて励起状態となる。この固体内原子において、より外側の準位の電子がその空席に落ち込んで安定化する過程で、両準位間のエネルギーを貰い受けて、近傍の電子が真空中に放出される場合をオージェ過程という。この電子をオージェ電子と称するが、この電子の運動エネルギーを測定して、固体表面層の主として元素分析を行う手法を言う。オージェ電子の脱出深さは高々3nm程度であり、極表面層の情報が得られる。また、Arイオンビームで表面から原子を削り取りながら(スパッタエッチ)測定することによって、深さ方向分析がなされる。試料上での電子線径は最小10nmфが得られており、サブミクロンを切る領域の分析が可能である。分析可能元素はLi~U、検出下限は約0.1%である。金属、半導体で広く利用されており、半導体分野では多層膜の解析、微小異物の同定などに用いられている。


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