半導体用語集
グローバル配線
英語表記:global wiring
信号を伝達するための配線のうち、距離の長いものをいい、チップを横(縦)断するように配置された配線である。これに対して距離が短いものはローカル配線と呼ぶ。LSIでは回路ブロックと配線が配置されているが、これを都市と道路の関係でたとえると、グローバル配線は高速道路、ローカル配線は市道である。MPUは発振や演算などのさまざまな機能を持つ回路ブロックが多数配置されており、いわば高速道路網の中に小都市が浮かんでいる状態である。DRAMはメモリ回路が大部分の面積を占めるため、大都会の中に高速道路が通じている配置になっている。LSI世代の進化とともにグローバル配線での信号遅延を小さくする要求は厳しくなった。そこで、MPUでは今までのAl・Cu合金配線からCu配線へと、DRAMではシリサイド配線からメタル配線へと低抵抗化が行われつつある。また、グローバル配線層を中層以上に引き上げSi基板間との静電容量を低減する工夫もされている。グローバル配線は集められて回路ブロックの間を流れる配線の束として配置されることが多い。配線形成がプラズマエッチングの場合は、グローバル配線の束の上に形成される層間絶縁膜は、隙間が埋められて幅広で長い台地となる。また、ダマシン法による配線形成では配線の密部となり、いずれの配線形成においてもグローバル配線領域はCMPを行う上で注意を要するパターン領域である。
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